虹の上をとぶ船
八戸市美術館開館3周年特別企画
「虹の上をとぶ船」について
映画「魔女の宅急便」に登場する「ウルスラの絵」。
幼少の頃、初めて観た時から印象に残り、つよく惹かれていました。
森の中で絵描きの少女・ウルスラが描いていた、あの絵のことです。
記憶に残っている方も多いと思います。
あの絵にモデルがあると知ったのはずいぶん後のことで、しかも故郷・青森の養護学級の生徒たちが作成した版画だったとわかりました。
題名は
「星空をペガサスと牛が飛んでいく」
その版画は八戸市立湊中学校養護学級の生徒たちが共同制作した版画「虹の上をとぶ船」シリーズの中の一枚。
指導は坂本小九郎先生。
この版画を観た時、魂の震えを感じました。
青森の子どもたちが捉えた当時の温度。
宮沢賢治の世界を彷彿とさせる星空たち。
音楽とも共鳴するものを感じました。
教育版画の普及に力を注いだ大田耕士さんを義父に持つ宮崎駿監督が、
この版画に出会い惹かれ、映画に登場することになったのもわかる気がします。
僕も実際に作品に会いたくて何年も探し続け、青森の資料館などにも問い合わせたのですが叶わず。
3年前に設立された八戸市美術館に収蔵されたことを知り、
2022年にアレコホールで演奏会をさせて頂いた青森県立美術館さんのご紹介もあり、ようやく会うことが出来ました。
そして、なんとも運命的なタイミングでちょうど展覧会が決まっており、
八戸市美術館開館3周年特別企画として、作品を目の前にして作曲するピアノを弾ける、
夢のような時間を企画して頂くことが出来ました。
今回の版画展は、この作品が生まれるまでの軌跡、青森の版画の歴史を感じられる素晴らしいものです。
僕も体験したのですが、学芸員さんの解説から大きな熱量を感じます。
今回はその学芸員さんのトークを聞いて頂いたあとにピアノ演奏をさせて頂きます。
この版画を通して教育版画の取り組みや、坂本小九郎先生の功績について、とても感銘を受けました。
それが故郷で行われていた歴史についても。
久しぶりに行われるという大規模な版画展。
郷土の版画家や県内の教育版画も紹介されています。
僕のインスタレーションもそうですが、この機会に是非、
「風のなかを飛ぶ種子 青森の教育版画展」にお越しください。
2025年1月まで予定されています。
haruka nakamura
八戸市美術館開館3周年特別企画
「虹の上をとぶ船」
学芸員トーク& haruka nakamura ピアノ・インスタレーション
〜風のなかを飛ぶ種子 青森の教育版画展 に寄せて
11/9(土)19:45開演(19:30開場)
料金:要展覧会チケット
予約:座席は事前予約制(先着)
申し込み開始日:10/20(日)AM10:00-
予約受付:八戸市美術館 Tel.0178-45-8338
又は、美術館HPにて。
学芸員による「虹の上をとぶ船」シリーズをはじめとした教育版画が生まれるまでの物語を語るトークと、その作品を目の前にしてピアノを弾くために青森出身の音楽家・haruka nakamuraが来館。ピアノ・インスタレーションを行う。長年に渡り追い求めていた絵から想起される音楽を即興的にピアノ演奏(10~15分)。現在、haruka nakamuraの演奏は数が少なく、青森では青森県立美術館、八戸では陸奥八仙での酒蔵で行われた演奏会以来となる。また、まちなか広場マチニワ噴水の音楽を坂本美雨と制作している。
ピアノ:haruka nakamura
トーク:高橋麻衣(八戸市美術館・学芸員)
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八戸市美術館
〒031-0031 青森県八戸市大字番町10-4
Tel.0178-45-8338
デザイン/ suzuki takahisa (16 design institute)
写真 / TKC
イベント制作企画 / kyoko yamaguchi (one cushion, inc)